マンションの買い時判断指標
人生最大の買い物、不動産。
この数年、日本の都心部の不動産価格は上昇を続け、マイナス金利も相まって一層過熱してきています。一方、バブルの記憶がある日本人には、いつかは弾けるのでは?と疑心暗鬼になりながら、不動産の買い時判断に迷われていると思います。
いつ買えばよいのでしょうか?
高値掴みしないように、参考になる指標が3つ。
マンションの買い時判断指標
①契約率
②価格
③販売戸数
もう少し詳しく見ていきましょう。
①契約率
新規に販売されたマンションの戸数のうち、どのぐらいが契約されたか、という指標です。好調であれば完売、高い契約率になりますが、鈍ってくると下落トレンドに入った、とみてとれます。
契約率の目安:
好調の目安は70%。
60%を切るとだいたい底。
2016年6月の数字は69.6%。まだまだ好調に見えますが、下記を見ると大きなトレンドとしては下落傾向に入ってきているとみてとれます。
※引用:株式会社不動産研究所
②価格
新規マンションの価格も大きなトレンドをつかむと現在地がわかります。下記をみるとここ数年右肩上がりできていますが、直近数カ月では高値で踊り場にきています。
※株式会社不動産研究所
これだけでは、この先また上がるかもしれないし分かりません。上がるのか、下がるのか。それを推察するための最後の指標が次。
③発売戸数
新築マンションの販売量=供給量のトレンドがどうなのか、を見るための指標です。需要があれば当然供給は増えていきますが、需要が細ると不動産業界が見ていれば、戸数は減っていきます。
※株式会社不動産研究所
12月のように年末は例年盛り上がりを見せますが、大きなトレンドとしては発売戸数は減ってきている、とみることができます。
契約率と発売戸数は下がっているのに、価格は高値踊り場。これは価格を高値維持するために、発売戸数を絞ってきていると見ることができます。よって、この先価格も下がってくると推察されます。
まとめ
①マンションの買い時判断には「契約率」、「価格」、「発売戸数」の3つを見る。
契約率の目安は70%以上が好調、60%が底。
②現在は、契約率、発売戸数が減少トレンド=需要減で、価格は高値維持。
③よって、今後値下がり可能性大。
こぼれ話
不動産業界は当然のことながら少しでも高い価格で売りたいものです。そのために契約数を水増して契約率を上げたり、発売戸数を確実に契約できる数だけを発売し、「第一期発売戸数」として供給するといった手法がとられることもあります。
「第一期分譲即日完売!」というあおり文句は、一見人気があるように見えますが、実は販売に苦労している、という証左の場合もあります。
とはいえ、いくら水増ししようと大きなトレンドを変えることまではできません。今は海外投資家や相続税対策といった投資家による過熱感も強く、実際に住みたい人が買うには少々バブル感が強いように思えます。
今後、10兆円規模の財政出動やオリンピック景気を期待する向きもあり、まだまだ不動産価値が上がるとみると考えることもできます。またインフレ対策、リスク管理として不動産購入という選択肢もあると思います。この辺は少子化、高齢化問題やハイパーインフレリスク等の社会問題と合わせて別枠でまとめたいと思いますが、不動産価格に関していえば、2015年12月がピークだったと後から言われる可能性が高いと思います。